お知らせ
6月NEWS
2010.06.01
①税制情報
<グループ法人税制について>
平成22年度税制改正で創設された「グループ法人税制」。その呼称から大企業を中心としたグループだけに適用されるものという印象を受けてしまいがちですが、実際には100%の資本関係がある企業グループに強制適用される制度です。しかも、一部の規定を除き資本金などの企業規模による例外がないこと、親子・兄弟で別々の会社を経営している場合のように同族関係者で100%支配している会社間ではその会社同士に資本関係がなくても対象となることから、中小企業にも大いに影響を与えるものとなっています。
いくつかの規定が設けられましたが、今回は「100%グループ内の法人間の譲渡取引の損益の繰延べ」を取り上げます。
・「100%グループ内の法人間の譲渡取引の損益の繰延べ」
100%グループ内の法人間で固定資産、土地、有価証券などの資産(帳簿価額1,000万円未満のものを除く)を譲渡した場合に生ずる譲渡損益について課税を繰り延べる制度。これにより含み益のある資産をグループ内で移転しやすくなるという側面に期待する向きもありますが、グループ内での一定の資産譲渡による譲渡損は税務では計上出来なくなります。
適用開始時期は22年10月1日以後の取引からとされています。
この規定の適用にあたり重要となるポイントは以下の2点です。
(1)対象となる法人の範囲を正しく理解しておくこと。
100%の支配関係には直接保有だけではなく間接保有も含まれます。また同族関係者で100%支配して
いる会社同士の取引にも適用されます。
(2)調整の対象となった資産についてはグループ内での資産管理が必要です。
繰り延べられた譲渡損益は、原則として譲り受け法人がグループ外へ再譲渡、また除却・償却などを行った
タイミングに合わせ戻し入れなければならないからです。
新しい制度ですので、思わぬ税務コストの発生に繋がらないように適用範囲を正しく理解しておくことが必要です。詳細は当事務所職員までお尋ね下さい。
②6月の主な税務
6月の申告や提出の主なものは以下の通りです。ご確認下さい。
[6月10日]
・5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・特別徴収住民税納期の特例分(H21年12月~H22年5月)
の納付
[6月15日]
・所得税の予定納税額の通知
[6月30日]
・4月決算法人の確定申告と納税
・3月決算法人で確定申告書の提出期限の延長をした法人の確定申告と納税
・4月決算法人で確定申告書の提出期限の延長をした法人の見込納付
・1・4・7・10月決算法人の3ヶ月ごとの期間短縮に係る消費税の確定申告と納税
・法人及び個人事業者の1ヶ月ごとの期間短縮に係る消費税の確定申告と納税
・10月決算法人の中間申告と納税
・消費税の年税額が400万円超の1・7・10月決算法人の3ヶ月ごとの消費税の中間申告と納税
・消費税の年税額が4,800万円超の3・4月決算法人を除く法人・個人事業者の1ヶ月ごとの消費税
の中間申告と納税(2月決算法人は2ヶ月分)
③ スタッフの一言
今年は気温の変化の激しい春でしたが、気がつけばもう6月です。気象庁の予測によると昨年より数日早い梅雨入りが見込まれていますね。6月と言えば、ここ数年すっかり定着したクールビズを今月からスタートされるところも多いと思います。ノーネクタイは確かに楽なのですが、「気持ち」も「見た目」も緩みすぎないように心がけるようにしています。ただ、暑がりの私は自宅に帰るとついつい冷房を強くかけてしまいがちです。今年は公私ともに出来るだけエコを心がけたいと思っています。
担当:永岡(東京事務所)